リバーサイドモーテル

北関東の片田舎から東京へ再上京 本・映画・アート・陶芸諸々・・・

企画展 『ベン・シャーン展』@茨城県近代美術館 



行ってきました。
この展示を見るまでまったくもって知らなかった画家。

20世紀における貧困や人種差別など、理不尽な社会の中でひたむきに生きる人々をテーマに扱った作品が多い。

特に印象に残ったのは『ラッキードラゴン』シリーズ。第五福竜丸事件(1954年にビキニ環礁でアメリカ軍が行った水爆実験。通りかかった第五福竜丸が被ばくした)によって亡くなった船長の生前の様子から、亡くなった後の妻の姿、墓石。

その一連のドローイングは鑑賞する者の頭の中でその悲しみや怒りを補完させるには十分である

ベン・シャーンは人として、社会として本質的に正しいものを信じていた。

そして、時には「悪」を憎しみと冷徹な線で表現した。


決して明るい作品たちとは言えないけど、「自分はどうなんだ?」と問いかけられているような、考えさせられる展示でした。

そして、なななんと。
6月12日(金)午後2時~ 
横尾忠則氏によるギャラリートークが予定されているとの事。
平日ではありますが、行ける方は必見です。


あー行きたい。

映画 『駆け込み女と駆け出し男』 べったべっただんだん









時は天保。

縁切寺である鎌倉の東慶寺に離縁を求めて駆け込む女たち。

御用宿に身を寄せ、聞き取りを任された見習い医者で戯作者を夢見る主人公、信次郎。

駆け込むワケあり女たちの想いや覚悟を受け止めながら、救っていく―


さっそく公開翌日に観に行ってきました。

今回は全然前評判とか見ずに、井上ひさし原作の『東慶寺花だより』でピンときて、
「これは面白い映画の匂いだ・・・!」と。

約140分と長編ですが、いやいや観終わった後のなんとも気持ちの良い終わり方。

江戸言葉の独特な言い回しや表現がやや難しくて聞き取れない部分がありつつも、
日本語の美しさを改めて感じました。

時代物って観る機会はほとんどないけれど、この映画は雰囲気が少し現代劇も混ざっている感じでとっつきやすい
大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかりから樹木希林、山崎努・・・キャスティングが絶妙でした。


見所は東慶寺の美しい風景と、大泉洋と戸田恵梨香の序盤のやりとり。

顔に火ぶくれを負ったじょご(戸田恵梨香)に信次郎(大泉洋)が

「これだけの傷を負うという事は、あなたは我慢強い」というシーン。



このシーンで大体の女性は大泉洋信次郎に胸キュンしてしまうと予想されますので
要注目してください。



『素敵』とは、素晴らしくて適わないことをいうそうで。


フフッと笑えてじんわり泣ける素敵な映画です。

飾りたい器






GWに笠間の陶まつりに行って購入してきました。

年々規模が大きくなってきているのは気のせいだろうか。。。

県外の人たちがほとんどな気もする。

確かに食べ物もお酒も沢山あってフェス感満載。私はもくもくと朴葉ピザを食べながら
速足で目当ての作家さんをぐるり。


結局買ったのは目当ての作家さんではなく、若手作家の長屋彩子さんの作品。

小さな草花を活けられる花器や、主張しすぎない素朴な色合いの器が特徴的でした。

陶まつりならではのお値段で購入。
下の一輪挿しは少し銅っぽい感じで一目ぼれしてしまったもの。

発想が女性らしく、どことなく作品は男性的な部分もあって
もっといろんな器を見てみたいと思う作家さん。


今後のご活躍に期待を込めて。

映画 『ONCE ダブリンの街角で』

 


4月ももう最終日になってしまった。

先月から私事で色々と変化が起こり、人生とはほんとに予測のつかないことの連続なんだなと実感した次第です。

28歳。思いっきり失恋しました。

恋愛体質ではない自分が、初めて自分の気持ちに正直になって行動した。
駆け引きなんてできないし、しようとも思えなかった。

恋人だった期間は短かったけれども、ちゃんと自分なりに向き合って、
お互いの自由を尊重して別れたので不思議と後悔はない。泣いたけど。


ただ、自分を出せない恋愛はやはり苦しいものなのだ。

こういう時、哲学者の言葉をひっぱりだして言い聞かせる。

―では、どうしたらいいのか?
自分しだいでなんとかなるものには、
しっかりと向き合うことだ。
そしてそれ以外のものは、ただ、あるがままを受け入れるのだ。
(エピクテトス)


 
 さて、失恋の時は第六感が働くよう。

連休前にTSUTAYAを物色していたら何だか気になって借りたDVD。

『ONCE ダブリンの街角で』





ジョン・カーニー監督、脚本。ストリートミュージシャンで生計を立てていた主人公。
その歌声に惹かれある女(ヒロイン)から声をかけられる。音楽を通じて、次第にお互いの事を理解していく二人。ダブリンという町で刹那的に出会い、それぞれの道を歩んでいく


なんというタイミングで観てしまったのか。
この、主人公であるグレン・ハンザードは恋人にフラれ、ずるずる引きずっている男で。
その曲も失恋の歌詞ばかり。

自分と重ね合わせるには重すぎるくらいの未練を抱えている。
でもそんな悲しい歌詞も、アイルランドの空気を含んだ音楽で優しく感じられた。
グレンの歌いっぷりがほんとに心にぐっとささって胸が苦しくなる。感動。

全体的に大きな展開とかなくて、テンションは一定に保たれている。
序破急でいったら、序のままなのかもしれない。
しかしこの映画はこれからの始まりを暗示させてくれる終わり方だ。

今私が求めているのは、少し意識を前に向けてボートを漕ぎだすような力である。



山口晃展 『前に下がる 下を仰ぐ』




春です。
現在芸術館にて開催中の山口晃展へ行ってまいりました。

土曜日の昼過ぎで結構な混み具合。
前が詰まるほどではなかったのでゆっくり鑑賞することに。

毎回水戸芸の導線の作り方は工夫が凝らされていて面白い。今回も凝った仕掛けを用意していた。



行ってからのお楽しみ・・・

ではあるが、見に来た人たちをいい意味で「くだけさせる」会場づくり
静かに厳粛に観たいんだ!って言う方には残念かもしれないが、空間も含めて鑑賞するとより楽しめるのかなと思う。


面白かったのが山口氏本人直筆の『紙ツイッター』という作品。

ノートをツイッターに見立て、日々のつぶやきがつらつらと並べられている。
時間の経過ごとにツイッターに振り回されていく心情がクスッと笑える。
同時に作家自身の内面を見てしまうとあの繊細でダイナミックな作品とのギャップに驚いてしまう。。いい意味で。笑

そしてお待ちかね?『無残ノ介』、『続・無残ノ介』の部屋。

直線に伸びた廊下の壁一面に無残ノ介の物語が展示されている。


外国の観光客の団体がひたすら『Cool!!Very peaceful!』と
興奮気味で食い入るように見ていました。


確かに。

内容に若干不条理な部分もありますが(笑)、
絵と文字の圧倒的な存在感で無残ノ介ワールドに惹きこまれて
うーん、ちょっと感動してしまった。


絶対美術に興味のない方でも楽しめる展示なので、
時間を十分取って見られることをおすすめします

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『山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ』

会場

水戸芸術館 現代美術ギャラリー

開催日

2015年2月21日[土]~ 2015年5月17日[日]

開館時間

9時30分~18時(入場時間は17時30分まで)

休館日

月曜日 ※ただし5月4日(月・祝)は開館


本 赤坂真理 『ヴァイブレータ』新装版

2月。とうとうなりたくなかった28歳になってしまった。。。


日経WOMAN等の雑誌を読みながら、28歳の貯金額が500万超えていたり、朝起きたらバナナアボガドスムージーを飲み、ランチはテラス席でガレット・・・という素敵女子を空想してたけど全然そんな現実は起こり得ることはなく。

小さな変化を積み重ねていくことしかないんだなと自覚した次第です。







さて、先日久しぶりに代官山蔦屋書店に行ってきました。

相変わらず賑わっていて、珍しい本が沢山あって文化基地として機能している。

初め探していた本が見当たらなくてうろうろしていたら。この本が目についた。

ずっと前に映画を見て凄く感動して原作読もうとおもったら絶版で。

なんて運命的なんだ。

いつの間にか新装版出てたなんて、本屋行かなかったら気づかなかった。


原作読んだら、映画は細かな部分まで忠実に描かれていたんだと驚いた。


でもやっぱりこの小説は『言葉』の力がつよい。人の野生とか本能をくすぐる。

一番好きなシーンは映画も小説も変わらないのだけれど、ホテルで主人公をお風呂にいれてあげるシーン。

 
 この人が優しいのは感情でなくて本能だよ感情がなくても優しくする、柔らかいものには優しくさわる

 それから何度も沈むことを試みた。岡部は何度もあたしを引き上げ、首を横に振った。あたしは目を伏せ見ないようにする。
沈めて。


この文章と映画で見た映像が交わって泣きそうになる。

女性が普遍的に求めているものは岡部に投影されている気がしてならない。

映画もお勧めです。








映画 『滝を見に行く』 おばちゃんサバイバー






『滝を見に行く』

新宿武蔵野館で観てきました。今日(1月10日~)からは新宿シネマートで上映開始ですね。

ほぼ日の記事を見て面白そうだと思って出かけました。


滝を見に行くツアーに参加した7人のおばちゃんたち。
ひょんなことから山で迷子になり、野宿をすることに。。。


この映画の見所はほぼ素人の方を使っているところ。
其々が色々な趣味や特技を持ち合わせて遭難を乗り越えていくところが面白かった。

映画観ているって感覚よりちょっとドキュメンタリーに近い感覚。
おかしみって人の予想できない素の部分にあると思う。
無意識の造作にその人の個性が表れてくるんだなと。


根岸さん(写真の右から2番目)大人しそうに見えて7人の中で1番根性座っている。

「根岸さん、タダ者じゃないわね」と言われるほどに。

家帰ってゴロゴロしている母親を見て。

なぜか大学のインカレバスケを見ながら
「今、急に3点入っちゃったんだけど、故障かな?」

と3ポイントシュートを知らずに見てて

おばちゃんという生き物は観察していると本当に面白い。



『南国料理人』の沖田修一監督という事であのゆるさが好きな人は好みの映画だと思います。